上野に映画を見に行こう(あまり版:中編)

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第四話〜真相

(注)ココからは先に他の方のレポを読んでからの方がより楽しくご覧いただけます


そんな訳でようやく館内に進入をする事が出来ました。
で、先を続くインギを追って、スクリーンのある場内へ。

ちょうど後から入ったので、
薄暗いながらも全体が見渡せます。
やはりというか、想像通り、ちっこいです。
で、席はがらんがらん。
でも場内は20くらいはいます。
それは席にも座らずにいるわけです。
壁に寄りかかって何かを待っている男。
腕を組んで何かを待っている男。
スーツ姿なのに…(ry

わーい!(壊
絶対ここには自分の知らない規律がある事確定です。
もちろんそんな事インギから一言も聞いてません。
ある意味異国です。
米軍キャンプです。
治外法権です。

そして、その男性を横目に通路に沿って少し進むと
インギが座っているのが見えました。


ここで、僕は思案しました。

打ち合わせの段階で、
「上映時間が一時間あるけども全部観るんですか」
の問いに
「いや、多分10分20分で抜けると思うよ」
とのインギのチキン返答。

不憫なめむさんに期待するのはあんまりだし、
longは…まぁ、やる事やるかもしれないけど(何を?
確率は高い方が良いに決まってる。(何の?

それにこんなもん観るのに(失礼)
1800円も払っているんですよ、こっちは!
収穫ナシで帰るなんて考えられません!
たかだか10分20分で何が分かるというのか!

…ああ、ここは僕が何とかしなきゃ駄目だな。
そう思いました。(笑

ので、
堂々とインギの前の席に座りました。
1人で。



どうせ、めむさんもlongも後で3人固まって観るんだろうよ。
しかし自分は違う!
地雷地帯にも平然と向っていくぜ!
生き様を見とけ!

そんな気分でした。
そしたら、longが隣に座ってきました。

なんだ、コイツもビビリだな、結局1人では座れないのか。
そんな風に思いましたよ。



そしたらさ…
そしたらばさ…

勘違いでやんのですよ!<しつこいようですが他の方のレポ参照

僕はてっきり、『入場は』、long1人で、他3人が一緒で。
との事だと思ったのですが、
他の方の認識は違っていたみたいです。
あくまで、『場内で』、long1人、他3人、の組み合わせだったのです。

他2名はともかく、ここでもまた、
僕の後に付いて来た不備なめむさんは驚かれた事でしょう。
なんたって、あんな状況で、
話が違う!(笑
ですから。

あげく隣に座ったlongも別にビビリとか、そんな事さらさらなく、
純粋に僕を心配しての行動だったとの事。


…でも、僕は謝りませんよ。(開き直って声高に
事前打ち合わせがきちんとしていて、勘違いが無かったとしても、
おそらく僕は1人で座ったに違いありませんから。

ええ、10分で出て行って、
「わー怖かったねー」
「あんな風になっていたんだねー」
なんか温いレポなんか、まっぴらゴメンですから!

上映前のエチケットとして、携帯の電源をオフにして準備完了!

いよいよ、上映です。



第五話〜孤独な戦い


いきなり濡れ場から始まったホモ映画「黒と黒」。
予告編もナシ。
緊張感もナシ。
異臭だけアリ。


予告編が無いのは想像付いたのですが、
この緊張感のないというのは、
上映中頻繁に人が出入りしたり、
平気でスクリーンの前を横切ったり、するからです。
おかげで、逆にそれとは違う緊張が僕らを襲います。
その緊張と戦うようにしきりに携帯を出して、何かを確認するlong。

そして異臭が廊下のソレを更に強烈にしたもので、
席3つ空けたおじさんがマックを食っていた臭いもあったのですが、
それ以上に生臭い、カビの生えた、独特の異臭なのですよ。
僕はそれだけで嫌気がさしましたが、
そこはそれ、事実を知らない自分は使命感がありましたから。

口で呼吸。
はぁはぁ、といささか怪しい呼吸をしながら、
鞄を抱えるようにして濡れ場を堪能。(堪能?

そして、その濡れ場が終わり、話が少し進むやいなや、
真後で席を立つ気配が。
(さすがに振り向いて確認は出来ない)

ああ、おそらく2人が外へ出て行ったのだろう。
まだ、始まって幾許もしていないのに。
やっぱりインギはチキンだ。
そう思うのと同時に、更に使命感が燃え上がりました。(笑

もちろんこの時僕は、2人にどんな事があったか知る由もありません。<インギレポ参照
経緯を知る今ならば、
やはり今日のターゲットは不憫なめむさんだったと断言できます。
そして何も知らない自分。

やがて、中盤に差し迫る前にはlongも退出。
ままま、君も良く頑張ったよ。
あくまで、上から目線で僕はそう思いました。

しつこいようですが、もちろんこの時も僕は
longにどんな事があったか知る由もありません。<longレポ参照
ただ、なんだかしきりに携帯をいじっているなぁ、
などと思っていたくらいです。
経緯を知る今ならば、僕が口で息をして、
はぁはぁ、している横で、まったく違う人に
はぁはぁ、されていたとは…
夢にも思いませんでした。

さて、話をもどして、現状を確認しましょう。

ホモが集り、相手を求めるホモ映画館で、独りぼっち。
しかもまだ上映終了まで30分以上あります。

この時僕は思いました。


…美味しい。(馬鹿


当たり前です。
こんな奇異な所で、レポをキチンと最後まで書けるのは自分1人しかいない。
しかも、やはり他の人達が当てにならなかったという、心境は、
より一層の使命感とともに、そんな事まで思ったのです。

これは、自分だけでもなんとか最後まで観なくては!

気分は他のパーティーが倒れ、自分1人で頂上を目指す登山家の気分。
もうこの時テンションはマックス!
逆によくこの状況を自分に回してくれたと、神に感謝をするくらいです。


…しかし、そんな気分も長く続きませんでした。
高揚もひとしきり収まってきて、
ようやく自分の置かれた状況が分かってきたのです。

当たり前と言っては当たり前ですが、不気味に沈黙を続ける周囲。

1、2分に1度は必ずある、人の出入り。

隣に座って、少し経ったら席を立つ輩。(見定め?

鷹のような目で腕を組み、映画そっちのけで席を見る人。

良く見たら、席の両端を人が座って安易に出れなくなっている事実。

そして、トドメは携帯の電源を切っている事。

これで、完全に僕は外部との連絡が出来なくなってしまったのです。
いや、そんなの普通に携帯の電源入れれば、と言う人もいるのでしょうが、
あの、
「何か動いたら犯られる!」
という雰囲気の中、僕は携帯を取り出す事も出来ず、
ただ現実逃避気味にホモ映画を見入る事しか出来ないのでした。

治外法権。

そう、僕はただ独り。
なんのルールも知らないまま、
見たくも無いホモ映画に集中せざるを得なくなったのです。

そして僕は知るのです。
それは単なる現実逃避でしかないのだと。

<あまり版:後篇につづく>

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