猫娘といっしょに買い物

投稿者:白風さん

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【名前】
白風

【実験概要】
きっかけ:なんとなく

目的:猫耳萌えとかいうヲタ多いけど実際そんな人いたらどう思うよ?
    それを調べるべく友人を引きつれ横浜へと赴いてみた。

日時:2005年7月3日(日)

目標:自分が平静を装いつつ無事買い物を済ませる事が当初の目的。
    さらに周りの人の反応をうかがう。

メンバー:白風、一之瀬、暁(全てHN)

【必要なもの】
・一握りの勇気
・金(3420円也)
・猫耳バンド
・首輪
・世間の冷たい目に耐えられる友人
・協力してくれる非常にありがたい女性

【実験詳細内容】
時は7月、天候は快晴。
決行場所に秋葉原を選ばなかったのは撮影等の危険から逃れるためである。
JR川崎駅にて今回の主役一之瀬(女)が来るのを待つ。

時間は14時。

僕のバッグには首輪と猫耳バンドが忍んでいる。
知り合いに遭遇したらアウト。
早くも高鳴る胸。冷や汗で一杯です。

「白風ー。」

遠くに見える一之瀬の姿。
今日は一段と格好よく見える。
まぁ、こんな実験に協力してくれた時点で勇者の一員だ。
横浜には初めて行くという一之瀬だが恐らくこの実験が終わった頃には
二度と行けなくなるだろう。
そして僕と絶交等の危険性もある。

"腹、くくります。"

切符を買い東海道線に乗り込む。
この時点ではまだ装備はつけていない。
ここで装備させる勇気は無い。

「今日何買いに行くの?」

そうでした。一応これが最大の目的。

「一応本、CD、バニラエッセンス。」

「え?バニラエッセンス!?」

こういう反応がごく一般的なのでしょう、
バニラエッセンスを買うのはただ行き先を
増やすためです。これにより広い範囲の移動を余儀なくしたつもりでした。
しかし世にはデパートという便利かつ人の集まる場所があるじゃないか。
ここに行けば素早く終わるが人目が多い。
商店街などを回ると時間はかかるが多少は人目を軽減できるだろう。
一之瀬はどちらをとるのだろうか?

「ま、いいや。暁もいるんだよね?」

この時はデート気分ですよ。
若い男女が休日に2人で電車。
目的を知ったら誰もが失望するでしょうこの
2人組はこの後世にも奇妙な買い物を繰り広げるわけです。

横浜に到着。改札を抜けるとなんともダルそうな
顔をした暁が。

「よう白風...」

眠いなら帰ればいい。
そんな言葉を発したくなるようなやる気のなさ。
君がこれを企画した張本人じゃないか。
なんだかんだ言っても帰るわけにもいかず買い物はスタート。
ここからが実験の本題です。

「んじゃ、一之瀬これつけて。」

バッグから一般的には使用しない用品登場。
猫耳、首輪。手袋、尻尾を用意する勇気は到底ない
僕はこの2つを取り出し一之瀬につけた。

「うわー...これやばいんじゃないか。」

暁は心配しております。
一之瀬は異様な姿で立っております。

猫娘君臨。

早くも周りからヒソヒソ声が。

"うん、こんなの予想していたから"

とはいえ恥ずかしい。

しかし一番恥ずかしいのはまぐれも無く彼女であろう。

顔をおさえている。
激しく自己嫌悪。

暁は黙って携帯を取り出し写真を一枚。

「ちょ、暁!写真撮らないでよ!」

一之瀬が怒る。
しかし一刻も早く駅を抜け出したい僕は一之瀬をなだめ駅前へ。

「俺達、明らかに浮いてるよな。」

暁がわかりきった事を今さら言い出す。

「デパートで買うか、他を探すか。選択肢を与えるよ。」

全員一致でデパート。見つからなければ
延々と探さなければいけないというリスク付きの
後者。人目についてるのは今に始まったことじゃ
ない。悟りを啓けそうな今この瞬間。

なんの本を買うか、なんのCDを買うか、
バニラエッセンスは...よしとしよう。

デパートへ足を運ぶ、駅前なだけあり人が沢山。
僕の顔は見る見るうちに真っ赤に。

「なんか、一緒に歩いてるのが恥ずかしいな。」

言ってはいけないことを早速口にする暁。
君少し黙っていようよ。

「ねぇ白風、これもうはずしていい?」

一之瀬がそういいながら首輪を必死に髪の毛で隠す努力をする。
そういう気持ちはやまやまですが
ここではずしちゃ実験じゃない。
やるしかないんですよ、やるしか。

本売り場で到着。雑誌を購入することに。

「じゃあ求人情報誌買ってきて。」

面白さを求め求人情報誌を手に。

さて、ここで今回のルール。
買ってくるのはジャンケンで負けた人、一之瀬が負けた場合には語尾に

「ニャ」

をつけるという過酷なルール。

しかし一之瀬へのリスクが大きすぎるため
お金は一之瀬が負けた場合は僕が出します。

「さて、一之瀬を負かすぞぉ〜...。」

暁が気合を入れる。無論僕もそのつもりだ。
記念すべき一回目を仕切るのは暁。では...

「ジャンケン、たぁ!」

たぁ。ってなんですか?新しいジャンケンですかな?
白風:グー 一之瀬:パー 暁:グー

「やた!勝った!」

嬉しそうですね。非常に嬉しそうです。
そりゃあそうですね、ニャですもんね。

「ジャーンケン、ポン。」

2回目は普通(?)の掛け声なんだ。
白風:チョキ 暁:パー

「ほら、買って来い。」

暁は自腹をきって欲しくも無い求人情報誌を購入。

さて、世間の冷たい目が痛いのでCD売り場へ逃げる。
しかし人はどこにでもいるわけで、急いだせいで余計目立つという始末。

最悪です。恥ずかしいです。

「よし、じゃあ一之瀬の好きなCDを買ってあげるよ。」

今回の実験に一番のリスクを背負う一之瀬が易々と引き受けるわけも無く暁と僕が
一枚づつCDを買ってあげるという条件がついています。

白風:AIR LastDance 暁:AIR OnMyWay

暁はアルバム、僕はシングルで済みました。
一之瀬に感謝です。正直お金無いんで...。

「よし、ジャンケンだ!!」

今回も仕切るのは暁。

「ジャンケン、ポン。」

白風:パー 一之瀬:チョキ 暁:グー

「あいこで、しょ。」

白風:チョキ 一之瀬:パー 暁:チョキ

キタ―――!!!

ここ一番のファインプレーです。
一之瀬の敗北をどれだけ待ち望んでいたか。

「はい、お金。」

暁と僕が一之瀬にお金と商品を渡すと
一之瀬は顔を隠しながらレジへ。

「こ、これくださいニャ。」

店員は若い女性。ちょっと困惑した表情で商品を受け取ります。
その間暁と僕は遠くで爆笑。

「4200円になります...。」

商品を袋につめる店員。
お金を出す一之瀬。

「こちら商品になります...。」

一之瀬が受け取る。終始赤面の一之瀬と困惑の店員。

「これ、なんかの罰ゲーム?」

店員が困惑した表情で聞いてきます。

「あ、はい。一応...。」

一之瀬はどうすることもできずにそう答えるとお辞儀をして駆け寄ってきた。

「もう、バカぁ!恥ずかしすぎるよ!」

CDの入った袋で暁を叩く。僕はいいんだ...

「よし、次で最後だな。」

バニラエッセンスを求め食材売り場へ。

「これは...正直難しそうだな。」

僕と一之瀬、暁が1人で手分けして
探します。探す事10分。

突然すれ違った子供に

「お姉ちゃん何してるの?」

予想外の質問に2人共絶句。

「えっとね...これはゲームなんだよ。」

苦しいうえに教育に悪い答え。
その直後母親っぽい人がきて子供を連れて行きました。
その途中で子供が笑顔で手を振ってくれたこと、
そして母親の冷めた笑顔をけして忘れません。

「はぁ...帰りたい。」

始めに比べると多少ふっきれた一之瀬だったけれどやはり辛いようでため息。
その直後暁が出てきた。手に持っているのは小麦粉。

「これでよくない?」

と言い差し出す。

「面倒だし、バニラエッセンスよりは使えそうだな。」

突然出現したダークホース小麦粉の購入を決定し
恒例ジャンケンタイム。仕切るのは例の如く暁。

「ジャンケン、ポン。」
白風:グー 一之瀬:グー 暁:チョキ

「いってらっさい」

小麦粉を手にレジへ向かう暁。
残された一之瀬と僕はある作戦を決意。

【暁を置き去りにしてみよう!】

内容は簡単、会計中の暁を1人残しこっそり帰ってみようという関係に
溝のできそうな企画。

早速行動開始。暁が気付く位置に立ってからいきなり走り出す。
暁はいきなりの行動を理解していなかったようだったが
出口をくぐった2人を見て焦る。

「ちょ、ま、お、待てぃ!

叫ばれました。しかも意味不明な前フリ。
なんだかんだで追いつかれたのですがとりあえずドッキリ成功です。

「くだらない事するなよ...マジで。」

暁が息を切らして言う。

「よし、買い物終わったし時間は4時だし、帰るか。」

本日の買い物:求人情報誌、CD×2、小麦粉

なんて無駄な一日を過ごしたのだろう...
突然襲ってくる虚しさ。

「うん、帰ろうか。これ、はずしてもいいよね?」

一之瀬が猫耳に手をかける。

『駄目』

僕と暁がハモる。

「え、えぇー!?」

ここではずしては面白みがない。
人の増えそうな4時辺りに電車の中で猫耳と首輪つけた中学生がいたらどうよ?

明らかに怪しいですよね。だからやるのさ。
恥ずかしくは無いか?そりゃあ恥ずかしいけど、
一之瀬よりはいいんじゃないかな?

少々気のすすまない一之瀬だったが了承してくれ
非常に助かりました。
東海道線に再び乗り込み席に座る。

「一之瀬...辛い?」

すごく可哀想なんでこう言ってみる。

「恥ずかしい...」

一之瀬が下手すると泣きそうなので電車内での装着を断念。

「中途半端な実験だな。おい。」

暁が一之瀬を煽る。
一之瀬は暁を無視して僕に今日のことを話してきます。
ようやく猫耳と首輪の呪縛から逃れたので
今日一番の良い笑顔で楽しそうに話してきます。

そして川崎駅にて別れを告げ
1人寂しく東京へ帰っていく一之瀬と暁を見送るのであった...

【まとめ】
こんな恥ずかしい体験は生まれて初めてでした。
実験後も一之瀬と暁とは仲の良い状態を
保てていましたがあの実験で使った装備だけは
永久封印でした。

得たもの
・世間の冷たい目
・一般人(店員、子供)の反応
・雑誌、CD、小麦粉
・オタクとしての経験値

失ったもの
・金
・一般人としてのプライド

一之瀬本人は二度とやりたくないと言っていましたが実は暁と第2弾を考えていたりします。
一之瀬には本当に感謝したいと思いました。
そして、こういう友人は永久に失ってはいけないなと感じました。


・昔額に肉という文字を書いて深夜コンビニに買い物に行ったら
 地元のヤンキー集団に絡まれたことがあります。
 問題は余り変な格好で出歩くと大変な目にあうので注意しましょう!?
 
 インギ皇子

投稿ありがとうございました。

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